乳がんで抗がん剤治療をすることになり、医師からカツラを準備するよう勧められました。
その時はショックで何も考えられず、いよいよウィッグを用意しようと思ったらわからないことばかりでした。
そのころ疑問に思ったことについてまとめました。
ウィッグはいつ買えばよい?
医療用ウィッグの準備は、抗がん剤治療が始まる前がよいでしょう。
抗がん剤治療が始まり、白血球数が減少すると人混みを避けなければいけません。
個人差があるでしょうが、投与直後は身体がだるくて外出する気にはなりませんでした。
そうこうするうち脱毛が始まります。
脱毛が始まると一気に抜けました。
吐き気などの副作用もつらいですが、脱毛の精神的ダメージは大きく、覚悟していたとはいえかなり落ち込みました。
治療の合間を縫ってウィッグを購入するよりは、まだ体力と気持ちに余裕がある治療開始前に購入することをお勧めします。
たとえばスヴェンソンなら、抗がん剤治療をするかどうかハッキリしない時点でも相談と試着にいって大丈夫です。
不安でたまらない時期ですが、ウィッグの目途がたてば心配事がひとつ解消して、ちょっとだけ(本当にちょっとだけ…)気持ちが軽くなると思いますよ。
医療用ウィッグと普通のウィッグ、違いはある?
普通のウィッグ(ファッションウィッグ)
ファッションウィッグは自毛のある状態で使用するものなので、抗がん剤治療中の使用には向かない場合があります。
肌にあたる部分がチクチクと刺激になったり、脱毛した頭にうまくフィットしないことも考えられます。
医療用ウィッグ
抗がん剤治療で脱毛した状態から自毛が回復するまで、頭のサイズは変化します。
医療用ウィッグは、この変化に対応するよう設計されています。
抗がん剤治療中の脱毛した頭にフィットし、肌に直接あたる部分が刺激の少ない素材で出来ていて、治療中の敏感になった肌にも優しいです。
軽くて通気性がよく、長時間使用しても負担になりにくいです。
但し、通販などの格安品には医療用と書かれていても品質のよくないものもありますので、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大事です。
価格はいくらくらい?
医療用ウィッグとして売られているものには、本当にピンからキリまであります。
インターネット通販で3500円のものから、フルオーダーで数十万円まで。
中には粗悪な品質のものも販売されているので、選び方には注意が必要です。
よい品質のものは、それ相応の金額になります。
購入するなら、信頼できるメーカーのレディメイド(既製品)やセミオーダーが現実的だと思います。
レディメイドで4~5万円から20万円くらいまで。
セミオーダーは15~25万円くらいですが、10万円を切るものもあります。
既製品とセミオーダー、フルオーダーの違いは?
レディメイド(既製品)
既にある中からヘアスタイルを選びます。
メーカー、ショップによっては、希望する長さに前髪をカットしていただける場合もあります。
サイズもS,M,Lから選ぶような感じです。
一口に既製品といっても、どこで購入するかで価格や品質にかなりの差があります。
セミオーダー
好みに合わせてカットやカールして仕上げてもらえるので、より自然なスタイルに出来ます。
いつもの髪型に近いスタイルにも出来ます。
フルオーダー
ヘアスタイルに特にこだわりのある方向きです。
髪色、髪型、自分の好みの通りに仕上がります。
メーカーによっては、自毛で作ってもらえるところも。
価格も高額で、完成まで1~2か月の時間を要します。
ウィッグの材質にはどんな種類があるの?
人工毛、人毛100%、人毛と人工毛のミックスがあります。
人工毛
低価格なことが人工毛ウィッグの一番の利点です。
最近の人工毛には品質が良いものもあり、ウィッグ感は抑えられています。
人毛より軽いです。
スタイルが固定しているので、セットの手間が不要です。
耐熱ファイバー製のものはドライヤーやコテの使用が可能です。
コテで巻くときには少しコツが必要です。
見た目の質感や手触りは、やはり人毛にはかないません。
人毛
見た目の自然さでは一番だといわれます。
人毛100%のウィッグは一般的に高価です。
普通の人毛ウィッグは薬品でキューティクルを剥がす処理をしています。
レミー人毛といって、キューティクルを残している高級品もあります。
キューティクルがあると、毛髪の向きをそろえてウィッグを作るので手間がかかるそうです。
オフィスで長時間過ごすなど、人に髪をじっくり見られる機会の多い方なら人毛がよいかもしれません。
人工毛は水をはじきますが、人毛なら濡れた時に自然でよいといわれます。
でも、そもそも髪がペチャンコになるくらい濡れる状況には、あまりならないと思います。
外出時にゲリラ豪雨にあうとかでしょうか。
人毛は自分の髪のようにアレンジできますが、小まめな手入れが必要です。
徐々に色あせるので、半年~1年くらいで染め直しをします。
ミックス毛
人工毛と人毛の良いとこ取りが、このミックス毛です。
見た目は人毛に近くてかなり自然です。
手入れは人工毛のようにカンタンで、価格も抑えられています。
私はミックス毛のウィッグを購入しました。
メーカーによっては、肌に直接ふれる顔まわりの毛は、チクチクしない人毛を手植えするなど
抗がん剤治療中の肌に優しい配慮がされています。
どこで買うの?通販ってどう?
店舗で買う方法と通販で買う方法があります。
通販
医療用ウィッグの通販には、ファッションウィッグ専門店で販売している医療用や、通販専門の医療用ウィッグメーカーなどがあります。
通販の安いウィッグには、医療用OKと書かれていても品質が良くないものもあるので、JIS認定のものを選ぶなど注意が必要です。
通販で購入できるのは既製品で、サイズをS、M、Lと選択するようなかたちです。
このサイズだろうと取り寄せ、実際に被ってみるとしっくりこないことも多いようです。
サンプルを取り寄せて自宅で試着できる場合もあります。
希望を伝えて前髪などカットしてもらえる場合もありますが、アフターサービスのないことが多いです。
店舗
実物を手に取り試着し、担当の方に相談に乗ってもらい、納得して購入できます。
相談や試着は無料の場合が多いです。
個室が用意されている店舗も多く、家族と、あるいは親しい友人と一緒に行って、相談しながらウィッグを選べます。
スヴェンソンなど専門のサロンなら、小さい子どもさんを連れて行っても大丈夫です。
修理やメンテナンスが無料の場合が多いです。
自宅でのメンテナンス方法なども教えてもらえます。
納得いくものを購入し、前向きに外に出たいですね。
医療割引って何?
治療を頑張る方へのサポートとして、医療割引価格でウィッグを提供されているメーカーがあります。
医師の診断書等は不要です。
アートネイチャー
医療割引制度があります。(20%割引)
スヴェンソン
医療サポート価格で、すべてのウィッグが20%割引です。
医療費控除は適用される?
残念ながら、医療用カツラ・ウィッグは、医療費控除の対象にはなりません。
但し、医師が「治療に必要」と認めが場合は控除対象になるようです。
自治体によっては、医療用ウィッグの購入に助成金の制度があります。