このサイトに来られたということは、ご本人か、あるいはご家族など大切な方が、医療用ウィッグ(女性用かつら)を必要とされているのでしょう。
私も同じ状況でした。
思ってもいなかった乳がんの告知と抗がん剤治療。
医師はあっさりと「髪の毛は抜けます」「カツラを用意されるのがよいですね」と。
治療のスケジュールが迫る中、家族が情報を集めてくれました。
納得のいくウィッグ選びが出来たと思います。
現在は抗がん剤や手術は終わりホルモン療法をしていますが、髪がなかなか伸びず、今も医療用ウィッグのお世話になっています。
このウィッグは、本当に治療の助けになってくれています。
ホルモン剤の副作用はありますが、ほぼ普段の暮らしに戻っていて、このようなサイトを作る余裕も出てきました。
同じ経験をされている方の、ウィッグ選びのお役に立てれば幸いです。
告知から抗がん剤開始日決定まで
病気には縁のない人生を送ってきました。
しこりも良性に違いないと思っていました。
だけど、医師からは「乳がんです。」と告げられました。
詳しい検査の結果待ちだけど、おそらく抗がん剤を使用するとのことで、
「その場合、100%髪の毛は抜けると思ってください。」と言われました。
(がん? 髪が抜けるの?)
グルグルと回る頭のなか、ただただショックでした。
病院のスタッフの方からウィッグのパンフレットを手渡され、心配して付き添ってくれた長女と帰宅しました。
検査結果を待つ間、おとなしいタイプであることを祈りましたが、残念ながら増殖性の高いルミナルBタイプでした。
手術の前か、後にするかの選択肢はありましたが、抗がん剤を使用することになり、初回の投与日が決まりました。
あっという間の出来事でした。
ウィッグを買うのも初めてのことで、とにかく分からないことばかりでした。
↓↓最初に調べたことを簡単にまとめてあります。
医療用ウィッグ ≠ ファッションウィッグ
ひとくちにウィッグといっても、髪の上につけるファッションウィッグと、脱毛した地肌に使用する医療用ウィッグには様々な違いがあります。
抗がん剤治療による脱毛開始から治療終了後に自毛が回復するまでの間、頭のサイズは大きく変化します。
医療用ウィッグには、アジャスターが付いているなどサイズ変化に対応するための工夫がされています。
- 軽くて長時間使用しても負担になりにくい
- 抗がん剤治療中の肌に負担をかけないような柔らかい素材
- 暑い時期や長時間使用しても快適に過ごせるよう、通気性の良い特殊ネットを使用
ファッションウィッグとは違い、医療用ウィッグは
「カツラだと分からない」
「自分の髪に見える」
ここがとても重要です。
人工皮膚を使用した分け目があれば至近距離でもカツラには見えません。
前髪や全体のカットでより自然に馴染み、一人ひとりに似合うように仕上げてもらえます。
セミオーダーやオーダーメイドの医療用ウィッグなら、「今までと同じ私のスタイル」にも出来るのです。
抗がん剤治療は高額
健康保険で高額療養費は補填されますが、自己負担分や通院の交通費その他諸々、予定外の出費が重なります。
さらに医療用ウィッグ…値段を想像すると、きっと高いに違いない。
家計への負担、家族へ迷惑かけて申し訳ない。
今まで自分のことは後回しにしてきた主婦ですから、とにかく安いウィッグを…と、最初は思いました。
でも、ウィッグは抗がん剤治療をがんばって乗り切るための重要アイテムですから、使っていて不満やストレスを感じるようなものでは困ります。
いかにもカツラというものでは、外出も憂鬱になるでしょう。
信頼できるメーカーの良質なウィッグで、出来るだけお財布に優しいものをと、口コミや評判、品質、価格を調べて比較しました。
医療用ウィッグは高価とは限らない
以前テレビ番組で、病気で髪を失くした女性とカツラに関する特集を見て、「医療用のカツラはとても貴重で高価なもの」という印象を持っていました。
一本一本、手作業で植え付けていく。そんな手間と技術を考えると、高価なのもうなずけます。
実際、フルオーダーで数十万円なんてウィッグもあります。
※但し、フルオーダーは出来上がりまで1~2か月かかります。乳がんの告知から抗がん剤治療開始まで時間がなく、そんなに待ってる暇はありませんでした。
実は、良質な医療用ウィッグでも、レディメイド(既製品)だと3万円台からあるのです。
セミオーダーでも、十分に手の届く金額のものがたくさんあります。
ありがたいことに、治療を応援するために、医療サポート価格で提供されているメーカーもあります。
ビックリするくらい安いものなら、インターネット通販で3000円台のものが見つかりました。
さすがにこの価格は…本当に医療用なの?品質が疑わしくておすすめできません。
抗がん剤治療中は肌が敏感になっています。
JIS認証・ミックス毛・セミオーダー
色々調べて検討した結果、次のことがわかりました。
- 医療用ウィッグのJIS規格がある
- ミックス毛が見た目も自然で手入れがカンタン
- セミオーダーなら即日持ち帰りも可能で、ピッタリに仕上げてもらえる
- 専門店なら個室で、プロのアドバイスを受けながら、家族や友人に相談しながら試着できる。
- メーカーによっては、ウィッグ以外のこと(例えば脱毛への備えなど)も専門家に色々相談できる。
調べたことはこちらの記事に書いています。
結局、試着しないとわからない
医療用ウィッグを扱っているところは思ったよりも多いです。
女性用ウィッグのテレビCMで馴染みのあるレディスアデランス、フォンテーヌ(ラフラ)。
レディースアートネイチャー(アンクス)。スヴェンソン。
ネットでよく目にするのはリネアストリア、アクアドール、プリシラ、他にも多数。
検討した結果、まずは試着してみようと思いました。
とりあえず試着と相談だけで、家に帰ってじっくり考えるつもりだったのだけど、結局、その日のうちにウィッグを持ち帰りました。
他を試す必要はないと思うほど、自然で軽くて付け心地が良く、担当者の対応も親切で、何より金額が納得のいくものだったからです。
↓↓前後して通販のウィッグを試着した話
やはり通販で自分で選ぶのと、サロンで専門家にアドバイスを受けるのとでは、全然違います。
この違いは、実際に相談に行き試着してみて実感しました。
無理に買わされるような心配はありませんから、気軽に試着と相談に行ってみてくださいね。
抗がん剤治療をするかどうか決まっていないけど、とりあえず説明を聞くだけ、見るだけ、試着だけというのも大丈夫です。
試着や相談に行く前に、予約するのが良いですよ。
スヴェンソンのサイトから簡単に予約できます。
手縫いのサイズ調整でぴったりフィット
調べる過程で、ウィッグが合わなくて買い替えた…なんて話もあり不安でしたが、私は最初のウィッグ1つで大丈夫です。
頭のサイズを測って、ぴったりフィットするように手縫いでサイズ調整していただきました。
最後までレディメイド(既製品)かセミオーダーで迷ったのですが、より自然に、似合うようにカットしていただけるセミオーダーを選択しました。
脱毛が始まってから、外出時にはウィッグを着用していますが、本当に自然で、ウィッグだとは気づかれません。
ウィッグ選びで試着は大事です
ウィッグの重さや、肌に当たる部分の材質なども、実際に手に取ってみないとわかりません。
被った時の深さもメーカーによって違います。
深い付け心地でフィットすると安心感があります。
そして、やはり試着してみないと、似合うかどうかわからないものです。
さらにカットの具合でも変わってきます。
サロンでは、担当の方に相談しながら、一緒に行った賑やかな娘たちとお喋りしながら、明るい個室でゆっくり試着できました。
親しい人と一緒に選びましょう
可能なら、家族や友人など親しい人と一緒に行って、ウィッグ選びを手伝ってもらうことをおすすめします。
気持ちに波がある時期で、一人でいるとどうしても気分も沈みがちです。
家族の支えが、誰かが一緒にいてくれることが、本当にありがたいものです。
抗がん剤治療が始まる前は、身体は元気です。
ちょっとお出かけ気分で、家族と友人と、似合うウィッグを選びに行くのはどうでしょう。
帰りに美味しいものでも食べて、少しでも明るく前向きに…。
暖かい気持ちで選んだウィッグなら、治療を乗り切る強い味方になってくれるはずです。
分からないこと不安なことは専門家に相談すれば、クリアになりますよ。